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豊かさ貧しさ

趣味が豊かさを生むことは書いた。

否、豊かだからこそ趣味が成立すると言っても良い。

本来、人間は怠惰を志してきた。

それは、コンピューターが普及し、ひと昔前に比べて遥かに仕事の効率化が進められた社会を見れば、一目瞭然である。

けれど、周囲を観察してみると、どうもできるだけ仕事をしよう、あるいは、仕事をしているように見せようと躍起になっている連中が多い。

そして、決まって「ああ、忙しい」と聞いてもいないのに自分で言い出す。

もう、あそこまでいけば不愉快を通り越して面白い、とすら感じる。

「ああ、またか」くらいのものである。

そして、そんな連中に限って毎晩のように呑みに繰り出しているし、時間にルーズな場合が多い。

決められた納期すら守れない。

つまり、「忙しい」と口に出すことで将来のミスに対する防御をしているつもりなのだ。

仮に、そういうポーズを取り続けることで仕事がスムーズに進んでいると信じているのなら、結構である。

客観的に見て、大半の人はそんな連中を無能と呼ぶ。

しかし、ついついそういうポーズを取ってしまう、そんな自分をすこしでも変えたい、と考えている人は、いますぐにでも変えるべきだ。

簡単なことだ。

つまり、自分の能力を正確に把握したうえでスケジュールを引き、そして、それを確実に守る。

ほとんどの仕事は、これだけ守っていれば波風は立たない。

それくらい、仕事が瑣末な存在であるということだ。

だから、まずは所詮仕事なんて、と考えることが大切だろう。

仕事なんかに過剰な幻想を抱いているから、本質を見失うのである。

人の価値は仕事が決める。

そうした幻想に縛られているうちは、けっしてほんとうの豊かさを手に入れることはできない。

そして、そんな思考しかできない連中を、大半の人は、貧しい、と呼ぶのだ。